「仏教美術の基本」 石田 茂作・ 「装飾のハンドブック」フランツ・S・マイヤー
「仏教美術の基本」
石田 茂作 (著) 1967/03 東京美術 ハードカバー函入り 481ページ
No.3863★★★★☆
1)今東光のCD講話「合本 極道辻説法」2013/12 ソニー・ミュージックダイレクト CD2枚)を聞いていて、ふと聞きなれない仏さんの名前が飛び出してきた。いや、毎回聞いてはいたのだろうが、今回だけはなにか、ピンときた。「いちじきんりんぶっちょう」・・・? はぁ?
2)漢字で書くと「一字金輪仏頂」。どうやら東光和尚が住職をつとめていた岩手県平泉の中尊寺にある秘仏であるらしい。どんな仏さん? ネットで画像検索。
3)なるほどこんな方か。東光和尚によれば、和尚と同じ津軽出身の版画棟方志功はこの仏さんに惚れちゃって、抱き着いてキスしちゃったという。色が白くて、なかなかお美しい方である。
3)と、ふと見ると、この印にどこか覚えがあるし、ピンときたものがある。そうそう、あれだ。昔私達が作っていたミニコミ雑誌「時空間」12号(雀の森の住人たち1975/11) の表紙、実質的に休刊号になってしまった、あの時の・・・・。
3)実は最近、この仏さんはどういう名前なんだろう、なんて、本当にそんなことを考えていたのだ。出典は大体わかっていた。当時所蔵していた「仏教美術の基本」を参考にしたのだ。今回、改めて探してみた。
4)確かにp239にあった。当時のルビでは「一字金輪大日 中尊寺」とある。こんりん、と呼ぶ場合もあるようだが、今東光和尚は、きんりん、と呼んでいた。
5)この印だけでは判別できないが、頭にかぶっている(仏頂)頭巾、さらには光背にある火の玉のような文様は独特の形式である。私は知らず知らず、この仏さんに呼ばれていたのだ。
6)しかし、私のデザインは、この仏さんを基に曼荼羅かなにか作ろうとしたようだ。実際には一字金輪曼荼羅というものが存在するのだが、私は当時そこまで頭は回っていなかった。
7)この檻のような格子模様は、これもまた当時所有していた一冊からインスピレーションを受けたものだった。
「装飾のハンドブック」
フランツ・S・マイヤー 1966/01 東京美術 ハードカバー函入り p487
No.3864★★★☆☆
8)しかしまぁ、これだけ劇的に、この仏さんがつながってくるとは思ってもみなかった。まさに40年間のミッシングリンクが今まざまざとつながっていくようだ。表紙に使ったさまざまなシンボリズムは、当時の自分なりにインテグラルを試みた結果であろう。
9)いまこうして縁がつながって、彫刻刀でなにやら彫り出していることと、どこかでつながっているのだろう。ミッシングリンクがつながっていく。
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