「仏像彫刻のすすめ」 新装改訂版 松久朋琳
「仏像彫刻のすすめ」 新装改訂版
松久朋琳 (著) 2016/08 日貿出版社 B5版 単行本(ソフトカバー) 211ページ
No.3875★★★★★
●あなたの仏像をあなたが彫る---<一人一仏>のための画期的な入門書
「問」ほんとうに、わたしでも仏像が彫れるでしょうか。
<答>大丈夫です。次の3カ条をつねに守れば、あなたにも必ず仏像が彫れます。
1、基本を大切にする。
先を急がずにつねに基本に帰って、正しい小刀やノミがあなた自身の手となり指となる、というところまで行かねばなりません。最初に取り組む地紋彫りは、運刀法の基本となるものですから、先に進んだ人も暇があれば初心に帰って、基本を繰り返し彫るようにしてください。
基本をおろそかにして気ままな運刀をすると、きっとケガをします。指を切ったり、膝を突いたりするようなことは、最も恥ずべきことなのです。
2、一にも根・二にも根。
木は正直なもので、10日間かけたものは10日間だけのノミ痕としか残しません。10日を20日に見せかけるようなゴマかしは絶対にきかないのです。木彫ほど根と辛抱のいるものはありません。
わたしはアマチュアの人たちにも、無言でお手本を彫ってみせて、その通り彫れるまでは何日かかろうが先に進むことを許さぬやり方をとっております。
ひとつの段階を、少なくとも10回は反復稽古すること。つまり、仏手を例にとるならば、左右の手を最低10個ずつ彫りなさい、ということです。木彫には早道や抜け道などはありません。
わたしのような純な人間でも、それを60年間繰り返してきたおかげで、ようやく皆さんに教えられるところまでたどりつけたのです。仏像彫刻に秀才は不要です。どっしりと腰を据えて、人の10倍の時間をかけてごらんなさい。
3、気ままをしない。
人間と言うものは慢心を起こしがちなもので、少しで売れようになると、気ままにのみを振るいたくもなります。しかし、自由彫刻と違って、仏像彫刻の場合、そんなかっては許されません。
お手本を正しく読み取って、一刀一刀、己を無にして彫り進んでください。そしてなるべくならば身近な人を誘い合わせて稽古することも、おすすめしたいと思います。
初心者は一人ぼっちよりもお互いに切磋琢磨しあって彫るほうが、進歩も早いし、落伍する危険も逸れやすいものです。
仏像を彫るということは、自己が仏によみがえる道なのですから、あくまで気まませず、謙虚な心でお手本どおり進めてください。表紙見返し
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