« 「続・彫刻刀で楽しむ仏像」関侊雲他<9> | トップページ | 「続・彫刻刀で楽しむ仏像」関侊雲他<10> »

2017/01/11

「高畠華宵」 大正☆昭和レトロビューティ 松本品子編集

91z6odiaagl
「高畠華宵」大正☆昭和レトロビューティ 新装版
松本 品子 (編集) 2011/12/22  河出書房新社 単行本(ソフトカバー) (らんぷの本/マスコット) 135ページ
No.3859★★★★☆

1)昨日、図書館の芸術コーナーを覗いていて、たまたま見つけたので借りてきた。たかばたけかしょう、と聞いても私にはピンとこない。高畠華宵、という名前なら、もしや、とは思うが、まだ確かではない。しかし、この三白眼の少女たちのイラストを見れば、ああ、この人だと思う。

2)1974年ごろ、この人の画を特集した当時のグラビア雑誌があったはずだ。今となっては、誌名も思いつかないが、このインターネットの時代、どうしてもというなら探し出すことも可能だろう。なにはともあれ、私はその中の一枚のイラストに釘付けになった。

Img_4356
3)大正ロマンを彷彿とさせる当時の代表的イラストレーター高畠華宵の代表的な作品ではなさそうで、この本にもこのイラストはでてこない。彼の美少年の絵ならむしろ、こちらのほうが有名で、さもありそうな図形である。

20080620195323

4)まるで若き日の丸山(美輪)明宏を思わせるような美少年画である。インターネット時代でなければ、私はこの画家を思い出すことはなかっただろう。ある時、ふと「美少年 大正 挿絵」とかで検索して、ようやくこの画家との再会あいなったのだった。

5)例の絵を見た時、私はまだ10代の最後、ただただひたすら情熱だけ持て余し、その矛先をどこに向けたらよいか、わからない時代だった。私はふと思う。あの時の、私のような情熱の状態だったら、「大義」さえ与えられたら、なんでもやったのではなかったろうか。

6)正直、あの時、特攻隊員の精神状態がわかるような気がしていた。「革命」に命を賭けるなら、賭けてもいいな、と思っていた。死んでもいいや、と、むしろ、死に場所を探していたようなところもあった。

7)ふと、当時の日本社会党委員長浅沼稲次郎が17歳の右翼少年山口二矢に刺殺された事件さえ彷彿とさせる。

48f59ce76b7a013e5e63cde72dad173f

8)昨今、イスラム原理主義者などの自爆テロなどが拡大する傾向にあるが、その良し悪しはともかく、そして、チャンバラなら、漫画だろうが「スターウォーズ」だろうがバトルゲームだろうが、まったく大嫌いな現在の私ではあるが、私の中のどこかにか、この情熱と相通ずるものがあったように感じ、不思議に思う。

9)私は例の絵に刺激されて、当時編集していたミニコミ誌「時空間」のシルクスクリーンの表紙をデザインした。

Photo_2

10)当時、この少年の刃の矛先が「星の遊行群」に向かっていたことに気づいた読者はどれほどいただろうか。「星の遊行群」誌編集についてのいきさつについては別に書いたので、繰り返さない。しかしながら、本当に、どうしようもない行き場のないパトスを私は抱えていた。今となっては説明不能な部分もあるが、何事かに対する違和感が、結局あのような動行へとつながっていたことを、今もまざまざと記憶する。

11)さて、私は、ごく最近になって、あの絵の少年が戦っていたものの正体を知った。

20140228111036049  豹(ジャガー)の眼 少年倶楽部/大日本雄弁会講談社

12)なんと、かの美少年剣士が戦っていたのは、獅子というべきか豹(ジャガー)というべきか、目の前の獣だったのである。私には、あの少年はスピリチュアルな存在に思えていた。なにか空なるものと戦っているような、空なるものへと向かう戦いをしているようなそんな気がしていたのだ。すくなくとももうすこし崇高なものであってほしかった。

13)でも戦っていたのは、獣だった。そう知って、ちょっと目が覚めた。この獣、どこから来たのだろう。ジャングルで出会ったのだろうか。それとも敵が少年と戦わせるために檻から放ったのか。

14)今の私なら、わが内なる邪悪なる獅子との対決の場面を想定する。高畠華宵にはたくさんの作品群があり、これと言って探し出さなければ出てこない一枚である。これまで、なんとなく心に引っかかっていたので、ここに忘備録としてメモしておくことにする。

つづく・・・かも

|

« 「続・彫刻刀で楽しむ仏像」関侊雲他<9> | トップページ | 「続・彫刻刀で楽しむ仏像」関侊雲他<10> »

08)Mindfulness in the Modern World」カテゴリの記事

コメント

アクセス元ランキングにこの記事が出て来るのも面白い。なぜ? どうして?、と思う。この記事、あるいは画家に対する想いはとても強い。されど、そこから展開すべき何かがない。私の深い情念を突き動かしはするが、その道行きが分からない。放置したままにしておこう。

投稿: 把不住 | 2018/09/03 17:41

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「高畠華宵」 大正☆昭和レトロビューティ 松本品子編集:

« 「続・彫刻刀で楽しむ仏像」関侊雲他<9> | トップページ | 「続・彫刻刀で楽しむ仏像」関侊雲他<10> »