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2017/02/19

「解き明かされる日本最古の歴史津波」<34> 名取熊野新宮

<33>からつづく


「解き明かされる日本最古の歴史津波」  <34>
飯沼勇義 2013/03 鳥影社 単行本 p369 飯沼史観関連リスト
★ 

名取熊野新宮

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 もっとも近くて忘れがちになる歴史的史跡は名取熊野新宮であろう。いろいろな言い方がされてはいるが、この表記が一番わかりやすい。

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 東街道に面した交通の要所にある神社ではあるが、時代とともに道路も整備され、それとなく時代の経過を感ずる。

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 こんなに近くに住みながら、なぜか私はこの神社の祭典に参加したことがない。理由はいろいろ考えられるが、遠くの神様はありがたく、近くの神様は忘れがちになる、という法則ではないだろうか。

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 山門(鳥居)をくぐるとまずは左手に文殊堂がある。これは正式には神社の敷地外で、神仏分離の苦しい言い訳を聞かなければならない。

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 されど、ここには文殊菩薩と一切経が長期にわたって収められており、近年盗難に遭遇したこともあったが、みごと戻って真宮寺の社殿に再収納されていると聞く。

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 決して華美ではなく、整備されているとはいいがたいものの、近隣の類似の施設にあっては、かなり重厚で歴史を感じさせる。

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 本殿の前にまずは、芸能が奉納される神楽殿が目に入る。

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 こちらは神楽ならぬ、舞楽が奉納されるための舞台装置を据えるための石積みである。

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 みなれた風景なれど、よくよく見れば、なかなか良くできたシステムだ。

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3.11後は、崩落の危険のために鐘堂への登壇は禁止されているようだ。

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 書かれている来歴のどこがどうなっているのか、ということを解釈し直すことも、にわか歴男の楽しみでもある。

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 かつてはなかったはずの宝仏殿というものができていた。

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 敷地内はこうなっている。

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 今日の参拝来意の一番は、羽黒飛龍権現の確認である。

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 しかしなんと、そのお名前は那智飛龍権現であった。

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 本殿は一つにまとめられている。

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 しかし、裏手にまわれば、奥殿の那智飛龍権を拝見することができる。

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 老女の宮とか十二社殿とかあるものの、やはり気になるのはその飛龍権現である。

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 裏手に回っても、それと明記されているものはない。通常ならどなた様が祀られているのか見逃してしまう。

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 以前は、社林がうっそうとして裏手に回ることなどできなかったが、3・11震災後は思い切った改革がされているようでもある。

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 ここにこういう形で祀られることになったのは、それなりの経緯があることであろう。

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 それにしても、これまでそれと気づかずにいた自分が恥ずかしい。

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 きょうは、ここのところを確認させていただければ、参拝のかいがあったというものである。

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 なんの余興か、源頼朝の腰掛石などというものもある。

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 ふと社殿前の池を見ると、一羽の白鳥が舞い降りていた。

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 なお神仏分離で別当寺、熊野山新宮寺に移された一切経はどうなっているのだろう。

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 新宮寺は拡張されて広くなった街道の斜め向かいに存在しており、近年改装されたものと思われる。

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 いわれ書きもあり歴史も銘記されている。

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 ちょっと読みにくい画像だが、平易な文体で分かりやすく書いてある。
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 近年になって文殊菩薩像と一切経の収蔵庫が設置されて保存されているようだ。

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 東北に現存している一切経は、平泉とこの名取熊野の地だけ、ということが表示されている。

<35>につづく

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