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2017/02/25

「仏像図解新書」 石井亜矢子他


「仏像図解新書」 
石井 亜矢子   (著),    岩崎 隼(画) 2010/04 小学館 新書: 222ページ  No.3900★★★★★

1)この本、見かけより内容が濃い。仏像の写真は一枚もついていないが、たくさんのイラストがついており、なるほど、仏像って、こうなっているんだ、という理解を大いに助けてくれる。

2)また、この本で仏像理解をすることによって、仏教全体への理解の橋掛かりにもなる。良書である。

3)如来の特徴のひとつは、装身具の類は一切身につけないということがある。必要最小限のいたって簡素な姿をするのが如来であり、これは出家するときにすべてを捨てた釈迦の姿に由来しているという。p24「如来---真理を悟った無常の仏さま」

4)なるほど、だから薬師瑠璃光如来も装飾品はつけていないのだな。わかりやすい。

5)薬師像は三尊像として祀られることが多いが、その場合の脇侍は日光・月光菩薩。さらに、眷属として十二神将を従える場合も少なくない。p28 同上

6)向かって右手側が日光菩薩、左手側が月光菩薩。これは何かのルールがあるのだろうか。十二神将については、諸説あるようだ。

7)もっとも安定した坐り方とされているのが、結跏趺坐だ。坐禅を組む時の坐り方で、右腿の上に曲げた左足をのせ、右足は左腿の上に置くのが、吉祥坐。のせる足が逆になるのが降魔坐で、どちらも結跏趺坐と呼ぶ。p52 同上

8)このことが気になっていた。現在制作中の我が薬師瑠璃光如来は、降魔坐の結跏趺坐ということになる。

9)日光菩薩・月光菩薩 薬師如来を護る太陽と月

 美しい名前をもつ二菩薩は、薬師如来の両矜持である。どちらも単独で進行されることはなく、かならずペアで薬師如来を護る。「薬師如来本願経」などには、薬師の正しい教えを受けた者として、あまたの菩薩のなかでも最上位の存在と記される。p88「菩薩---仏になるため悟りを求める修行者」

10)当制作中の薬師像では、十二神将は12個の瑠璃(ラピスラズリ)で表現しておいたが、この日光月光両菩薩はどのように表現しようか?

11)十二神将 薬師如来に従うガードマン

 薬師如来につき従う十二神は、薬師専属のガードマン・チームである。薬師如来を守護し、その功徳を説いた経典を読む人々をも守るという任務を担うため、それぞれが甲冑をつけた神将形をしている。全員が威嚇の表情をみせ、武器を手にする姿は四天王と変わらないが、十二神将は彼らのように邪気を踏むことはなく、岩座に立つことが多い。p144「天---仏法を守る多芸多才な尊格」

12)お、これは、と一時期は十二神将すべてのみなさまをご招待しようか、などといきりたったものだが、おそらくそれは無理。もし可能なら、名前としてなじんできたバサラ大将だけでもチャレンジしてみようかな。

13)種類の多い蓮華座

 多くの仏・菩薩が坐すのが、開いた蓮華の花をかたちどった蓮華座である。シンプルな蓮弁と反花(かえりばな)で構成される大仏坐から、壇の多い装飾的なものまで、バリエーションが豊富だ。p184 同上

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14)我が家の薬師様の台座は、大仏座、と呼ばれるものであろう。蓮華座よりかは簡素化されている。

15)この他、「仏の三十二相」仏が備える尊い特徴p40、「仏の持物」法力や特質を示す印p94、「光背」意匠化された光明p48(製作中の薬師座像のものは二重円光)など、興味深い記事が簡易に書いてあり、私のような仏像ビギナーには、いたって便利な一冊である。

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