「運慶」 リアルを超えた天才仏師 山本勉・他
「運慶」―リアルを超えた天才仏師
山本 勉 (著), ヤノベ ケンジ (著), 橋本 麻里 (著), みうら じゅん (著) 2012/07 新潮社 単行本: 124ページ
No.3898★★★★☆
1)たとえばイSムの広告動画を繰り返し聞いているとして、私は一体、ナニに一番魅了されているのだろうか。仏像だろうか。モダンなライフスタイルだろうか。JAZZだろうか。そこにつながってくるところの、郷土史、だろうか。
2)ひとつひとつバラして考えてみる。
3)バックグランドで使われているJAZZも見事なものだ。一曲一曲の演奏者や曲名はわからないが、iPhoneのSIRIに聞くと、半分くらいは教えてくれる。これもまたすごい時代だね。メロディを一部聞かせるだけで、曲全体が分かってしまう。
4)この動画の製作者たちは、どのような意図で、このようなフュージョンやJAZZの曲を使っているのだろう。
5)では、動画を見ずに、音源としてだけ聞いてみる。
6)それはそれで素晴らしいのだが、そもそもJAZZの特別なファンというわけではない私には、やがて飽きがくる。これはこれでいいのだが、そこで終わりにはならない。
7)では、植物や、ワイングラス、オーディオセットに囲まれた暮らしというものはどうだろう。なるほどなぁ、こういう暮らしぶりもなかなかイイね、とは思う。しかし、そこまでだ。だからどうした、という跳ねっ返りが、すぐにやってくる。
8)では最近とみに魅了されている郷土史などの資料集めはどうだろう。これもなかなか面白い。まだまだ続きそうだ。グローバルなスピリチュアリティなどいいつつ、郷土史の石神たちに手を合わせる私がいる。
9)しかし、それとて、決して現代的で、究極的な趣味とはいいがたい。何かが補完されてこその、世界観なのである。
10)さぁ、それでは、仏像はどうだ。仏像もまたこんなに奥深い世界であるとは、実は、ごくごく最近気づいたところである。これもまぁ、ハマるなぁ。実に、興味深い。
11)しかし、それが限りなく完成度が高く、著名で、力がある像である、ということは決して必須条件とはならない。仏像の耽美にふけるほど、深く仏像を愛する人間だとは、実は自分で自分を思えない。
12)たしかに、運慶は天才らしい。革命児だ。運慶がいたからこそ、仏像の世界がこれだけ深まったということもできる。夏目漱石の「夢十夜」に活写される運慶。広く、アートの世界に反響しあう、美の世界。
13)それでもやはり、それほどアートとしての完成度が欲しいわけではない。私は私に見合った世界があれば、それでいいのだ。
14)仏像は必須ではない。JAZZもフュージョンも必須ではない。モダンなライフスタイルももちろん必須ではない。アートや完成度も、決して必須ではないのだ。ただ、このイSムの動画広告に魅了され続けている私がいることは確かだ。
15)いいなぁ、と思う。この雰囲気に浸っていたい。時にはこのような総合的な組み合わせにヒットされるのはイイ。
16)そして、おそらくはもっともっと自分の世界にくつろいでいることのほうが好きであるだろう。ヘタでもいい。誰かに評価されるようなものでなくてもいい。超アートでなくてもいい。天才とか凡才とかいうものではない。自分が作る自分のための一本ものの人生であるなら、それは、私にとっては超モダンで超カッコいい世界なのだ。
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