「熊野神社歴訪」 宇井 邦夫
「熊野神社歴訪」
宇井 邦夫 (著) 1998/11 巌松堂出版 単行本: 305ページ
No.3891★★★★★
1)さらに同社(編注:名取熊野本宮社)の由来の中には、本家争い的な表現も見られる。
当社長岡の郷より当所により紀州より本文に勧請以来高橋伊豆毛が奉仕したが^、その子孫は新宮建立後、防舎株を他に譲渡し、他村で一寺を開いた。
中世乱世の際、種々の変動あり、さらに京師流落の浮屑(僧侶)氏等来り、当地に熊野三社宮(又世は熊野三所権現という。今の熊野新宮社)を建立して以来、当社を単に十二神、甚しきは十二神薬師堂とさえ称するようになった。
こうして当社は、いつしか本宮社或は十二神社と称するに至り、名取熊野堂の熊野社といえば、三所権現、即ち新宮のみが世に知られるようになった。p39「宮城県」
2)この一書は、極めて重要な記述が多く、再読、再再読が必要である。今回は急ぎにて、この部分だけで、他は割愛した。
3)少なくともここで分かることは、「おらが名取の『言い伝え』」(年代不詳 名取市農業協同組合)で伊藤わくり(当時70歳)が語っていたことはほぼ事実であり、薬師十二社権現は、新宮ではなく、本宮のことであることがほぼ確定した。
4)行政などによる記録資料では、三社それぞれに「公平」に記述されているために、細かな状況が省かれ気味であるが、個人や言い伝えでは、そのあたりの細かな機微がキチンと伝えられていることが多い。あらためて、種々な資料にあたる必要を強く感じる。
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