「ケルアック」バリー ギフォード (著) / 「ホワイトアルバム」転生魂多火手伝<11>

「ケルアック」
バリー ギフォード (著), ローレンス リー (著), 単行本 – 1998/02 毎日新聞社単行本: 566ページ
No.3919★★☆☆☆
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<10>からつづく
「ホワイトアルバム」 転生魂多火手伝
<11>Dの消息 目次
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1)結局、ケルアック熱は急激に冷めてきた。そもそもがD追跡プロジェクトの中でのビートニクであったし、ジャズシーンとの距離感としての路上だった。特に当ブログとしてはゲーリー・スナイダーとの相性がいいので、その辺の情報を側面からつかまえることができれば、それはそれで上出来だ。
2)もう、こんな500ページを超えるような単行本を一気に読み切るような情熱は残っていない。ただ、漠然とだが、こうして眺めていると、スナイダーとの距離も見えてくる。Dは決してスナイダーではないのだ。
3)たしかにバロウズやギンズバーグは、ヤクの臭いやホモセクシャルのぬくもりが気になってのめり込めないし、ケルアックは、やんちゃすぎる。一番感情移入できそうなのはもちろんスナイダーだ。が、だけど、ちょっと待てよ。
4)エコロジカルであったり、仏教に対する造指が深いのはそれはそれでいい。しかし、Dはどうなんだ。そこまでエコロジカルでもないし、もろに仏教を目指したわけではないのだ。求めているものが、ちょっと違う。それに21歳で交通事故で命を落としてしまった限り、それほど熟成はされていなかったのだ。特段の才能も発揮していなかった。単なるルートセールスマンだ。
4)ただただ、ひとつの人生として、命として、この世を彷徨っていたにすぎない。だが、その彷徨いにも意味はあった。
5)こうしてみると、ケルアックはケルアックで、結構お茶目で、いいかもな。少なくともクリフォード・ブラウンのような「優等生」でないところが、また魅力なのだろう。
6)DのことはDとして、そのうち、本当にケルアックが好きになってしまうかもしれない。ミイラ取りがミイラになってしまいそうだ。
7)さて、この辺で、なぜにD追跡プロジェクトが始まってしまったのかの再確認と、どの辺まで探ればいいか、チェックしておく必要があるだろう。
・だいたい時代背景はわかった。ほとんど図星だった。ここはこれでいい。何巡かしているうちに、もっと分かってくるはずだ。
・東海岸から西海岸へ、という行程も、妥当性があるものだ、とわかった。
・西洋としてのアメリカが、東洋に向かうの途上であったことも、具体的に分かった。
・ただ、白人インテリWの存在がまだ分かっていない。アラン・ワッツほど洒脱な男ではない。もっと保守的で、アカデミズムに染まっている人間だ。そしてヒューマニティ溢れている。
・Dはもう、ほとんど自覚という意味では、何もわからないままアメリカを去ったのではないか。ほとんど無自覚だ。だが、機根がある。ある運命に任されて、流れていた。
・そろそろこの辺で、1931年フランスから逆照射しないと、見えてこなくなっているのではないか。
・アメリカにおけるDの消息。漠然としたものであったが、この数日の探索で、その存在感は、一機に輪郭を強めた。奴は、いたね。確実に。
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