「Journal of Financial Planning」特集 フィンテックが変える 金融とFPの未来<3>
「Journal of Financial Planning」特集 フィンテックが変える 金融とFPの未来<3>
日本版FPジャーナル 2016年9月号(第200号) 日本ファイナンシャル・プランナーズ協会 会報 p96
★★★★☆
1)と、ある人物からメールが送信されてきた。
2)★★★
3)この話、どこにくっつけておこうかな、と思ったのだが、私もファイナンシャル・プランナーの端くれ、大枠的には金融業に分類される業界で生きている人間ゆえ、いちおうこの会報に関連して書いておく。
4)金は欲しい。金が100倍になったらうれしい。でも、4月末までに参加しないとこの話はなくなってしまう、という話には絶対に乗らない。一生付き合っていくような友人関係には絶対に持ち掛けない。
5)ビットコインの話もずっと前から聞いていた。たしかに何倍かになった人物も知っている。されど、☆☆倍とかいう風に区切ることは絶対にできない。一部儲ける立場の人間がいて、大部分は損する仕組みになっている。
6)ビットコインも、「儲かる」というところで行ってはならない。フィンテックも「100倍」とかで動いてはならない。
7)当ブログでも、ビットコイン(仮想通貨)関連リスト を作って、それなりに追っかけてきた。しかし、この点については、当ブログとしてはかなり保守的だ。
8)おととし、となりの畑のお嬢さんから一本のトウモロコシをもらった。もちろんタダで。そのトウモロコシを昨年畑にまいたら、数十本収穫できた。
9)それを販売したら、なんと、一万倍になった。まさに一粒万倍である。正確にいうと、元手がゼロなので、もうけは一万倍どころではない。無限大なのである。もちろん、種の分は保存しておいたので、今年も作付けする予定。
10)儲け話はどこにでもある。何倍に増やすかは、その人の努力しだい、運しだいであろう。
11)だけど、数百円、数千円の種を買って、畑にまいても、虫に食われ、カラスにつつかれ、ハクビシンに食われ、雨風にやられ、日照りで水不足、一切の苦労が水の泡、ということも体験する。これは100分の1どころか、破綻である。ゼロどころか、肥やし代、畑代、労働分が、すべてマイナスになる。
12)それも仕方ないのだ。
13)そういうこと全体を、全部楽しめるなら、その100倍とやらのゲームに参加することもいいだろう。公営ギャンブルなどにもそのようなチャンスがあるだろう。宝くじにも、そういう可能性があるだろう。そういう夢を追いたい人は、追ってください、というしかない。
14)知人には、新卒でパチンコ店に就職し、キチンと子育てをしてマイホームを早々とゲットした実に働き者の若者もいる。おじいさん、おとうさん、その息子と、三代続いて競輪の選手、という家族も知っている。競艇の選手で、実に堂々とした人生を送っている素敵なカップルも知っている。正月に呑んだ勢いで、実は宝くじで大当たりした、ということを白状してしまった叔父さんがいた、と話していた友人もいる。
15)儲けることはいいことだ。悪いことではない。みんなどんどん儲けて、愚図なこちらまで回してほしい。おごってくれ。
16)だけど、私は絶対に最初から100倍になるセミナー、なんてものに参加はしない。いくら友人の勧めでも参加しない。魅力を感じない。
17)政府は、IR法案とやらの成立に夢中である。IRとはなんだろう。インテグレイト・リゾート施設の略号でもあろうか。統合的娯楽施設。まぁ、賭場だね。余っているカネで遊ぶのはいいんじゃないかな。だけど、100倍儲かった時のことばかり考えていてはいけない。100分の1になり、ゼロになり、マイナスになった時のことも、キチンと考えておかなければならない。
18)株式投資だろうが、ネットトレードだろうが、生活資金を投入したりしてはいけない。
19)あまりにもややこしい話なので、私はこのメールには返信しないことにした。なんとかセミナーとやらも参加はしない。参加しなくて後悔なんてしない。
20)フィンテックの名前の意味は、いわゆる金融の仕組みが変わるということで、たしかに現金がカード払いになって、職種がなくなってしまった業界もたしかにある。だが、その分、別な職業が増加している。
21)貨幣がなくなると言っても、それが100倍の儲けになる、という話ではない。そもそもが貨幣の代わりにブロックチェーンなどの情報が代替するというだけのことだ。そのことで、得られることもあり、失われることもある。
22)昔からいうではないか。裸で生まれて、裸で死んでいく。なんぼカネがあっても、結局は持っていけないのだ。そんな夢みたいなものを追っかけているよりも、本当にもっと大事なことがあれば、そちらに勢力をそそぐのが本当だと、思うがな、友よ。
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