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2017/04/23

「如来さまにみちびかれ」 三角定義油揚げとともに 庄司 勝壽

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「如来さまにみちびかれ」 三角定義油揚げとともに
庄司 勝壽 2016/11 ブレインワークス 単行本 161p
No.3956

1)図書館の新刊コーナーに入っていた一冊。そうでなければ出会うことはほとんどなかったでだろう。調べてみると県内の図書館の半分には在庫されているが、ネットではほとんどなんの情報もない。出版元のブレインワークス社のHPでさえ新刊にもかかわらず、何もないというのは、ちょっとかわいそうかな。

2)「如来さまにみちびかれて」というタイトルなら他にもいろいろありそうだ。だが、「三角定義あぶらげとともに」とくれば、知る人ぞ知る、ググッとくるサブタイトルである。ここで「さんかくじょうぎ」と読んでしまう人にはますますわからないであろう。

3)仙台市の山岳地帯にある西方寺は、近年パワースポットとかで若者世代にも人気の観光地で、その門前に揚げたてのアツアツの三角形の油揚げを食べさせるお店がある。そこの社長のお話である。

4)当寺には、平重盛の重臣である肥後守・平貞能(たいらのさだよし)が、壇ノ浦の戦い後に当地に隠れ住んだとされる平家落人伝説が残る。貞能が安徳天皇と平氏一門の冥福を祈って阿弥陀如来を安置し、また改名して「定義」(さだよし)と名乗った。この「定義」を「じょうぎ」と音読みして[6]、当地では阿弥陀如来を定義如来と称し、当地もまた「定義(じょうげ)[6]」「上下(じょうげ)」と呼ばれるようになった。wikipedia  

5)「定義如来 西方寺五重塔建立の軌跡」(1986/10 阿部建設五重塔建立記録刊行委員会)という本を思い出した。合わせて読んだら関心倍増。

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6)地元の私たちとしては、ジョウゲさんに行ったら、揚げたての三角あぶらげを食べて、お土産に3枚~5枚、買って帰るのは定番コースとなっているが、影にはこういう秘話があったとはね。

7)中学校も満足に出ることもなく、すぐに一人で山に入って一か月一人で炭焼きをするような生活をしていたという。営林署に務めて下草刈りをしている時代のお話は、どこか若い時代のゲーリー・スナイダーさえ連想した。

8)その後、家業の副業であった油揚げ店を基礎として、三角油げを販売することを思いつく。されどすぐに成功に結び付いたわけではない。さまざまな葛藤があり、行商や店頭販売を重ねながら、今日の成功を勝ち取った人なのだった。

9)妹の歌手の庄司恵子さんがラジオ等で話題にしたことも大きな助けになったという。

10)本としては、結論が中ほどにあり、後半はやや冗漫な感じもしたが、この出版元が必ずしも出版社としての専業でないところが影響しているのであろうか。おそらく影のライターが聞き取りで書いているのだろうが、まぁ、ちょっと稚拙な雰囲気を持っていることさえ、なぜかこの本の魅力の一つになっている。

11)決して、表面的なマーケティングでできた地元の名産品ではないのだ。生活の中で、必死に暮らした人々の中から生まれてきた名産なのである。今度、ジョウゲさんに行った時は、それと知って、もうすこしゆっくり味わいながらいただこう。もし同行の人がいたら、この話教えてあげようかな。

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