「プレ・シンギュラリティ」 人工知能とスパコンによる社会的特異点が迫る「エクサスケールの衝撃」抜粋版

「プレ・シンギュラリティ」 人工知能とスパコンによる社会的特異点が迫る 「エクサスケールの衝撃」抜粋版
齊藤 元章 (著) 2016/12 PHP研究所 単行本(ソフトカバー): 254ページ
No.3952★★★☆☆
1)1968年、北陸地方生まれの医師にして、スーパーコンピュータ開発者。WIRED誌などにも登場している。「<インターネット>の次に来るもの」 未来を決める12の法則 ケヴィン・ケリー2016/07)でもそうだったが、自らの幼い時代の背景を開陳しており、そこにシンパシーがひきつけられる。
2)本書の主旨は至って簡単で、世界を開くのはスーパーコンピュータで、「シンギュラリティは近い」エッセンス版―人類が生命を超越するとき (レイ・カーツワイル 2016/04)が主張する2045年の特異点の前に、2030年前後に前特異点ともいうべきものがやってくるとする。
3)それがもたらす変化は素晴らしいことがたくさんあり、その図柄をたくさん提出するが、それらは妄想と紙一重の世界。確実なものとは言えない。そのスーパーコンピュータを開発するのは日本でしかない、と強調する。もちろん、それは自分が作るのだ、と豪語する。
4)そのビジョンが素晴らしければ素晴らしいほど、すっかり魅了されるが、本を閉じてみると、そのビジョンとはかけ離れた現実、そして決してそちらには向かっていない世界の風景にギャフンとなる。
5)下手すりゃ、スーパーコンピュータですらマッド・サイエンスとして座礁しかねない危機にあるのであり、また、それでは、本当の意味でのインターネットやシンギュラリティとは反する部分も多くある。
6)集中と分散。全体と個。たくさんの矛盾がある。一人の人間として生きるには、はて、スーパーコンピュータの到来をひたすら待ち続けることはちぐはぐなものとならないか。
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