「図解 マインドフルネス」 しなやかな心と脳を育てる ケン ヴェルニ<1>
「図解 マインドフルネス」 しなやかな心と脳を育てる<1>
ケン ヴェルニ (著), 中野 信子 (翻訳) 2016/06 医道の日本社 単行本 226ページ
No.3947★★★★☆
1)この本も人気本である。リクエストから手元に来るまで何か月もかかった。私のあとにもすでに十数人のブッキング・リストが積みあがっている。さっさと読んで、さっさと次の人に譲ろう。
2)最近、近くのお寺が、別院として町の中に小さな「みんなの寺子屋」なる施設を作ったことを知った。そこで坐禅会が行なわれた。前々から気になっていたので、参加してきた。これからも機会があったら、ぜひ参加してみたい。
3)しかし、一体、このギャップはなんだろう。日本においては禅や坐禅の文化は、長い年月、命脈を保っている。釈迦牟尼仏陀が初代だとすると、菩提達磨は29代目、道元禅師は52代だとか(異説あり)。指導にあたった和尚さんは91代目にあたるとか。いずれにせよ、とてつもない血脈である。
4)この本、読めばそれなりに興味深いのだが、もしこの本が日本人による日本人向けの本だったら、おそらく私は目もくれなかったであろう。この手の本は昔から流通しており、それらの本と比較した場合、特段に突出しているわけでもないばかりか、時には的を外した表現になっている点も多々ある。
5)しかし、この本がどこかの西洋人によって書かれたものであり、またその読者層が西洋人を想定しているのだ、とするなら、なるほど、瞑想や禅というものを彼らはこのように理解しているのか、という意味では興味深いものとなる。
6)そしてさらに、この本が日本人向けに邦訳されて、日本人読者によって読まれている、という風景を考えると、ちょっと違和感を感じないわけではない。
7)当ブログは現在、「現代社会におけるマインドフルネス」はどうあるべきなのか、を追いかけている。そして、インド→中国→日本、における、ディアナ→禅那→禅、の系譜に感謝しつつも、その伝統というものに支えられてしまうところに、ある種の弱さを感じてもいる。
8)もし、ZENが地球人のスピリチュアリティに成り得るのだとしたら、やたらと伝統にこだわる姿勢は、必ずしも褒められたものではない。むしろ、このような西洋発の、科学的視点とやらを加味したとするマインドフルネスの試みも、注目すべきではあろう。
9)されど、このいわゆるマインドフルネスとやらの系譜はまだまだ曖昧であり、今後どのようなどんでん返しになるか、不明な点も多い。
10)伝統として言えば、仏、法、僧、の三つの宝とされるもの、それが、マインドフルネスと言われるものの中ではまだまだ明確ではない。単に技法が独り歩きしているかのようである。マインドフルネスとやらで、たどり着いた人はいるのか。その確立された方法論はあるのか。それを支えるコミュニティはどのようにサポートされているのか。
11)ないものねだりをしてばかりではなんだが、ひるがえって、わがOSHOの系譜はどうなっているのだろう。
まずは、かつての釈迦牟尼(ゴータマ・ブッタ)からの系譜については、敬意を表しつつも、決してそこに拘泥はしない。
12)技法においても、ある意味、伝統に背くものがあったとしても、決して排除はしない。あるいは積極的に新しい現代的なものを取り入れていく。
13)そして、コミュニティについても、OSHOコミュニティも、あるやなしやも含めて、確たるものとはいいがたい。そうあるべきなのか、どうあるべきなのか、も含めて、曖昧模糊としていると言っても、過言ではない。
14)だから、現在のところ、当ブログにおいては、禅宗(好みでいえば道元ゆかりの血脈)、マインドフルネス(カバット・ジンあたりからの新しい動き)、そしてOSHO(と言われているものの、本来、こちらも多様な評価がある)、の三つの動きに注目していきたい。
15)当ブログが見るところ、大きな意味において、この三つに齟齬はない。ひとつのものを三つの方向から見ているだけであり、見ているものは同じものだ。だから、個々人においては、自らが入りやすく、実行しやすいところから始めて構わない。
16)ZEN、OSHO、Mindfulness、それらを味わって、自ら体感し、体験し、体現してこその実存であろう。
17)そのような視点から言えば、この本は決して無視はできないが、この本に盛り込まれなかったことはたくさんある。そしてまた、この本が言おうとしていたことを表現するなら、もっとコンパクトに、もっと小さく、ポータルに、パーソナルにもできるのである。
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