マインドフルネスと坐禅・瞑想 「大法輪」特集<4>
「大法輪」マインドフルネスと坐禅・瞑想 <4>
2017/ 04 大法輪閣 雑誌 1934創刊 一般の人へ仏教をやさしく紹介 月刊版
★★★★★
1)大法輪。1934(昭和9年)創刊のこの雑誌、同居していた父方祖父が定期購読していたので、身近な雑誌だった。だが、もちろん自分の愛読書になることはなかったし、気にしたこともなかった。
2)だが、いつだったか高校生の頃、縁側のひだまりの中で、一冊だけ開いてみた記憶がある。その時、脳裏に残ったのは「仏教論争、どっちが負けても釈迦の恥」という言葉。誰かが、投稿なり、出稿の中でこの言葉を書いていたのだろう。
3)幅広い派生を誇る仏教ゆえ、さまざまな支流がある。それらのどの流れに属している存在であっても、自らの正当性を主張するのには妥当性がある。さらには、他派との軋轢の中、様々な論争が生まれてきたのは仕方のないことだったであろう。
4)されど、どの流れにあっても、ブッダを源流としているかぎり、その論争のどちらに勝敗がついたとしても、結局的には、勝ったのもブッタの支流だとしても、負けたのもブッタの支流なのだから、負けちゃったら、結局ブッタの恥だよね、ということだ。
5)もっというなら、仏教においては論争なんて必要ない、ということだ。ブッダは論争を好まない。ブッダと論争はなじまない。そういう思いはずっと続いてきた。
6)この雑誌で、マインドフルネスを特集したことは注目に値する。おそらく日本の仏教界が示すであろうマインドフルネスに対する姿勢を余すことなく表現しきっている。無視することはおかしい。されど、迎合することもさらにおかしい。
7)各人各様の反応の集録したこの特集は、すでに売れきれており、発行されたばかりなのに、中古本市場でも高値を読んでいる。そうあってしかるべきだろう。要再読。
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