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2017/05/22

「寅さん語録」 寅さんが教えてくれる今を生きるための50のメッセージ 轟夕起夫他<2>

<1>からつづく
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「寅さん語録」 寅さんが教えてくれる今を生きるための50のメッセージ<2>
轟 夕起夫  イソガイ マサト 2017/03 出版社: ぴあ 単行本: 151ページ
★★★★★

1)調剤薬局に風邪薬をもらいに行って、待ち時間5分の間、手にしていた本。あんまり気になったので、図書館から借りだした。この手のきっかけで当ブログに一時代を切り開いた本に、「悪役レスラーのやさしい素顔」(ミスター高橋 2015/03 双葉社)がある。

2)そもそも私は寅が嫌いだった。フーテン、という言葉使いが嫌いだった。ヒッピーとかフーテンとかいう言葉は自尊の言葉であったり、侮蔑の言葉だったりした。私はテレビでこの映画の前作となる「泣いてたまるか」シリーズの大ファンだったので、受けに入って映画化したこと自体、反発した。



3) 主題歌だって、ずっと覚えていて、オレの主題歌だったんだ。テレビ番組だったのは中学生の頃だが。

5)高校卒業して、オレ自体がフーテンみたいになってしまってからは、この言葉使いが大嫌いだった。当時のヤクザ映画も大嫌い。横尾忠則がなんぼ健サーン、と叫んだとて、私は見向きもしなかった。

6)ところが、それら10数年もして、なんとか定職にもついて、家族も増えた頃、たまに仕事時間にサボってサウナ風呂にいくようになった。そしてそのサウナ休憩室で、初めて寅の映画を見たのだ。私はハマった。あの時の夏のスノコのシーンがいまだに忘れられない。

7)あれからテレビで再放送やるときは、焼酎をひっかけながら、必ず見た。残念ながら、映画館でみるという習慣は一回も身につかなかった。やはり寅はテレビだろう。

8)それこそ今世紀になったころに、寅全作品48作を一挙に放送したことがあった。あの時私は全部自前のDVDに録画した。録画すること自体大変な作業で、その後、整理していなかった。

9)おととしの春の連休に、エコビレッジ構想が頓挫して、一週間まるまんま一人で自宅にごろ寝する事態になった。この時思い出して、寅全作品を再視聴して、整理した。いやぁ、よかった。酒量も増えた。

10)最近もまたテレビでやっている時がある。必ず見る。だけど、悲しい。だって、もう寅はいないからな。寅だって死ぬんだ。寅だって、老いるんだ。あの日本の古い風景がますます涙を誘う。もう、全作48作を一挙にみよう、なんて無謀なたくらみはもうしないだろう。

11)最後の10作くらいは、寅の老いが見えて、ちょっと悲しすぎたなぁ。それがまたいいのだが。一番好きな作品と言ったら、最初の10作くらいかな。ミヤコ蝶々がでてくる二作がいいかもしれない。あと宇野重吉がでてくる奴もいい。

12)渥美清は、山頭火のファンだったとか。寅ではなくて、山頭火をやりたかったんだ、彼は。でも、寅を演じきった。エライと思う。ありがとう。

13)この本にでているアフォリズムは全部好き。でもやっぱり御前様のあのお言葉がサイコーでしょう。

14)私はもう積極的に寅を見たいとは思わない。この本も借りてまではみない。でも、今度、あの調剤薬局に水虫の薬でももらいに行ったとき、やっぱり5分間くらい手にとるんだろうな。面白いから。

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