「棺一基」 大道寺将司全句集<1>
「棺一基」 大道寺将司全句集<1>
大道寺将司 (著), 辺見庸(序文・跋文) (著) 2012/04 太田出版 単行本: 234ページ
No.4000★★★★★
1)だれかがSNSでこの本を紹介していた。へ~、こんな本が出たのかな、と思った程度だった。
2)当ブログでは足掛け13年程で39百冊以上にメモし続けてきており、まもなく4000冊目を迎えるタイミングである。
3)もともと冊数にそれほどの意味もなく、また映画やDVD、芝居や展覧会なども同じナンバリングに加えているので、厳密な意味などもともとない。
4)されど、単調なモノローグの読書ブログゆえ、道々、それぞれになんらかんかのエピソードもあれば便利なのである。
5)実は、4000冊目の候補として何冊か考えてみたのだが、どうもしっくりこない。そこで、暫定的とは言え、当ブログのエッセンス版をその位置に据えようと、一旦は決意した。
6)本日、図書館でこの本を受け取って、その考えは変わった。ひょっとすると、この一冊こそ4000冊目にふさわしいのではないか。
7)著者については断片的な知識以上、何も知らない。特段に思いを寄せたことはない。この本がどんな本かも知らなかった。句集だったのか。
8)最近、長期、地下に潜っていた活動家が捕捉されたというニュースが流れた。その人物との差さえ、よくわからない程度である。
9)だが、奥付を見て、この本がすでに5年前に出版されていたことを知った。
10)今から、ちょうど40年前に、インドのプーナでOSHOの元でグループセッションを受けた。三日間の「エンライテンメント・インテンシィブ」というセッションである。ひたすら「私は誰か」を言語化し続ける。対面して座ったパートナーは、ひたすら、その話を受容し続ける。
11)単純な自己紹介に始まった一日目など、あっと言う間に過ぎ去り、二日目などは混とんとして、何が何やらわからなくなる。時にはフリークアウトしてしまう参加者もいないわけではない。
12)そして、三日目になると、何事かの終結がやってくる。三日目だ、もう終わる、という多少の安堵もある。そのタイミングで、なにかのひらめきが、どんと落ちてくる。
13)私の場合は、なぜか最後は芭蕉の一句が飛び出してきた。「旅に病んで 夢は枯野を かけ廻る」 芭蕉の辞世の句である。なぜだったのか、知らない。私がそんな句を深く覚えていたなんて、知らなかった。愛しているとも知らなかった。だが、私は「私は誰か」の問いかけの最後の答えとして、この句を選んだ。日本語もわからない欧米人相手に、その意味を話しつづけていた。
14)この本の著者は、何かの縁で獄中の人となり、死刑囚として長年自らを問うてきた。この一冊を残して、最近亡くなったのだ。私はまだ読んでいない。
15)この本のタイトルは、彼の一句から取られたものであるようだ。
棺一基 四顧茫々と 霞けり 2007年 大道寺将司 2017/05/24 没 享年70歳
衷心よりご冥福をお祈りいたします。 合掌
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