「わが家の宗旨 曹洞宗 日常勤行」 田中 忠弘他
「わが家の宗旨 曹洞宗 日常勤行」
田中 忠弘/企画 坂上 也寸志/演出
1994/10 ビクターエンタテインメント株式会社 VHS 30分
No.No.3993★★★★☆
1)ふーん、こんな動画も図書館に所蔵されているのか、と興味半分で借りてきた一本。曹洞宗の一般的なお経を読経しているお坊さんたちの風景で、特段に有名な寺院での風景とは言えない。よくある感じのお寺の風景である。
2)めずらしい解説もなく、特段に悟りきった風でもない。ごくあたり前のあたり前の資料集のようである。このシンプルさがいい。
3)さて、不思議なものだが、このVHSを見た翌日に、ある人物(お客さん)のマンションを訪ねることとなった。所用はあっと言う間に終わり、あとは雑談。雑談とはいうものの、そちらのほうがかなり価値がある。
4)この方、道元の系譜に関わる大学を卒業しており、僧籍を持っていたわけではないが、各地の坐禅会などに参加している。この4月に定年退職をしたばかりである。
5)会社員時代から存じ上げているわけではあるが、この方、勤務中は、知ってか知らずにか、ちょっとキャラを自分の周りに作りげていたようである。あるいは、この方の本当の顔を知っている周囲の同僚たちはいなかったのではないか。
6)私は、この方と長時間一緒にいたことはなかったし、私もまた自分なりのキャラで生きているので、仕事上、そんなに自分の内面を深くは開示しない。だから、それなりにすれ違いの人間関係ではあった。
7)されど、言葉の端々、雑談の断片から、私たちの行動範囲はかなり重なっていることが感じられていた。おそらくそうだろう、と思ってはいたが、あまり距離は詰めなかった。ほどよい距離間がいいのである。だが、それも彼の退職によって、その距離感は一挙に破られた。
8)彼は離婚を経験しており、幼い長男を事故で失っている。退職後の日常は作務衣で暮らしている。そのうち本山に登って受戒しようと思っているらしい。親戚などの法事などでは、僧侶に代わってお経をあげることなどもあるらしい。
9)各地の坐禅会。そして時間ができてから、毎朝、寺に通って朝坐禅に励んでいるらしい。ある意味うらやましい生活である。
10)あまり細かいことをやめておこう。いずれにしても、このVHSを見た翌日に、その内容にぴったりの人と出会って、あれこれ会話できたのは、不思議な奇縁だな、とそう思ったことだけをメモしておく。
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