「20世紀エディトリアル・オデッセイ」 時代を創った雑誌たち 赤田 祐一 +ばるぼら <4>
「20世紀エディトリアル・オデッセイ」 時代を創った雑誌たち<4>
赤田 祐一 (著), ばるぼら (著) 2014/04 誠文堂新光社 単行本 224ページ
★★★☆☆
1)この本とても面白いと思うのだが、まずは通読する必用がある。はやく通読して、概略をメモしようと焦れば焦るほど暗礁に乗り上げる。
2)まず第一には、文字が小さいこと。面白い文章もあるようなのだが、どうも読めない。虫眼鏡を使っても読み切れない。スマホのルーペ機能を使っても目が疲れてだめだ。つまりだ、この本は、編集者による編集者のための本なのに関わらず、失敗編集の一例なのではないか。
3)なぜに文字が小さくなりすぎるか。情報を満載しすぎるのである。なぜにそれほどに情報を満載jにする必要があるのか。それでは編集の意味がないではないか。取捨選択せず、とにかく並べようというのは、編集の意図に反する。
4)この本、最初の最初から「ぼく自身のための雑誌カタログ」(p004赤田祐一)とおっしゃるのだから、他人がどうのこうのいう必要はもともとないのかもしれない。されど、近くの公立図書館に入り、老眼の度の深化が著しい我が細目にも止まってしまうとするなら、無関心ではいられない。
5)ましてや、自らの関係者が作った本も並び、また、私自身が作った雑誌が掲載されているとするならば、嬉しさが80%以上。無断掲載されていることにやや引っかかりがあるものの、所詮雑誌とはそんなもの、とアキラメはつく。
6)されど、この雑誌には、「私自身のための雑誌カタログ雑誌」とするには、雑味が多すぎる。まず、エログロナンセンスな雑誌は、私は必要ない。あとアメリカン・コミックも、大型書店で手にとる程度であったので、それほど思い入れはない。
7)それと、誰もが知っているような大型出版社からマスメディアとして発刊されていたような雑誌も、正直、おととい来い、なのである。ロックやジャズや、一つのジャンルに深入りしたような、しかも私の趣味ではない方向の雑誌も、オフして構わない。
8)さぁ、そこまでくれば、このカタログに登場する雑誌は、この10分の一になるだろう。そうとなれば、文字の大きさも10倍とは言わないまでも、すくなくとも、すでにアラ還超えをはたしている我が老眼にも、もうすこし配慮されることになることは間違いない。
9)そしてだ、結局は、ベースのベース、基本中の基本は「ホール・アース・カタログ」に行く突くとするならば、それはそれ、それでもう結論は出てしまっているのである。
10)時にネット上では、ビニ本、裏本の大特集、大カタログのようなものを見かけることがある。あの文化も今となっては、かなり限定された。5年とか10年とか、短い期間のあだ花だったのである。それらを、分散しないように(笑)いまカタログとしてまとめておくのも、志のある御仁にはやりがいのある仕事であると思われる。
11)しかあれど、当ブログとしては、網羅性も必要と認めつつ、やはりそこにフィルターをかけ、集約し、ここだ、というポインティングも必要であろうと思う。
12)そう言った意味においては、「ホール・アース・カタログ」と「宝島・全都市カタログ」と我が「時空間」がどのように扱われているのか、そこが分かれば、まぁ、それで十分なのである。
13)銀河系の中の度の位置に太陽系があり、その太陽系の中の何番目に地球は位置しているのか。その辺あたりまで絞り込めれば、もう十分である。されど、そこまで絞り込んだ時、はて、その銀河系は、宇宙全体のどの位置あたりに存在するのかも、分かっていたい。
14)だから、雑味の多い一冊ではあるが、雑味が多いからこそ価値ある一冊といわなければ、このカタログが登場した意味がない。
15)少なくとも、私は自分が関わったり作ったりした雑誌が、このカタログに関連づけられたことは光栄に思う。
つづく
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