「さとりサマーディにて」<27>次のステップ
<27>次のステップ 目次
1)前回の書き込みから2か月が過ぎた。この間、病院からの退院、元のホームへの帰還、そいて介護級数が5になり、新しい特老施設へと移動と、なかなか忙しい日々であった。
2)このシリーズが始まった時は、かなり体調も安定していて、本人の気分もだいぶよかった。タイトルどおりしずかな日々へと続いていけばいいなぁ、という思いがあったが、決してそうはならなかった。
3)95歳という年齢を考えれば、仕方ないことだが、コミュニケーションもややつらいものになりつつある。
4)この間、身近でなくなった親戚や知人がすでに何人もいるのだが、彼女の心理的動揺を考慮して、伝えなくなっている。こちらに隠し事があるもので、言葉の端々には気を遣う。
5)最近、14人目のひ孫が生まれたし、孫二人がマイホームを獲得したので、そのようなオメデタイことは伝えるようにしている。
6)孫、ひ孫の名前や誕生日を的確に記憶していて、かつてさとりコンピュータと揶揄されたその記憶力も最近は衰え気味である。誕生日の記憶にも狂いが生じ、名前の書き順なども、何度も確かめるように聞き返すことが多くなった。
7)さまざまな会話も結局は自分の体調がおもわしくないので、こちらの話を聞いているというよりは、自分の体調の不調を口にすることが多い。会話としてはなりたたないことも多くなった。
8)新しい施設に移って、うまくその環境に慣れてくれるだろうか。本人にとって、良い点と、悪い点があるらしい。目はほとんど見えず、耳は片方だけがやや聞こえる程度。自分で歩行するどころか、自分でベットに座ることも、起き上がることもできない。そもそも、足を組み替えたり、体を左右に自力で動かすことができなくなっている。排便はもちろん大小どちらも自力ではできない。
9)徐々に体力が失われていったので、家族としては急に驚くことはないのだが、以前と比べれば、かなり変貌していることに代わりはない。
10)施設のスタッフにお願いしつつ、家族も頻繁に訪問を繰り返している。どの方法がいいのか、さまざま対処しながら、まずは60点合格主義を基本として、老老介護で共倒れにならないように、もっともよいだろうという方法を取り続けている。
11)このシリーズのタイトル通りに物事は進んでいくのか。あるいは、改題を迫られているのか。
12)まずは、新しい施設に早くなじんで欲しいと願っている家族たちである。
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