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2018/01/15

「仙台藩ものがたり」河北新報社編集局<2>

<1>からつづく

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「仙台藩ものがたり」
河北新報社編集局 (編集) 2002/06 単行本: 240ページ
★★★★☆

1)かつて若い20歳前後の時は、北山五山の一角である資福寺・覚範寺の境内裏手に住んでいたこともあり、その五山の名刹・輪王寺で坐禅を組んでいた。インドから帰ってきて、輪王寺を訪れた時、私にはその境内が「血塗られた」ような臭いがしたような気がして、近づけなくなった。

2)その後、瞑想会の仲間である僧侶にさそわれたりして、若林・林香院、青葉区・活牛寺、あるいは名取・慶蔵院などで指導を受けた。旅の先々で一食一泊の恩義にあずかったお寺さんの思い出も多い。現在は、名取の秀麓齋の指導を受けている。

3)年末に、縁があって、北山・輪王寺を訪ねた。坐禅の時間にはちょっと早かったせいもあり、連れもあったので、庭園を散歩するだけにとどまったが、その印象は実に一変したものだった。40数年間にこれほどの手が入れられ、さらに歴史を重ねておられることに頭が下がる思いだった。

4)名取市観光物産協会指導による名取市観光ボランティアガイド研修終了とほぼ同時に、仙台市観光国際協会主催による観光ボランティアガイド研修にも参加している。過日は、観光ルーブルバスを利用した、市内実地研修だった。

5)瑞鳳殿、青葉城、大崎八幡神社の先輩ガイドの指導を仰ぎ、ガイドされる側の身になって、仙台という町を眺めてみた。貴重な体験ではあったが、この三つの史跡が伊達藩ゆかり、まだに伊達政宗抜きには語れないことに愕然とした。

6)本来どこかさけてきた道筋である。血なまぐさい、政治の、経済の、荒々しい世界とは距離を置いておきたいという気持ちとは裏腹に、最近は、いやいや今こそはそこを通っていかなければ、何事もできないぞ、という気持ちも湧いてきた。

7)この本は、伊達藩、ではなく仙台藩と銘打っているあたりに、どこか複眼的で、広角な視野をもって、私たちの地元に光を当ててくれる。決して私たちの日常の生活圏にとどまらない「仙台藩」の広域性を教える。山形、福島、岩手をはじめ東北一円はもとより、北海道、関東、京都、九州、朝鮮半島、欧州・スペインにまで、史実をもとに詳しい縁付けをする。

8)このガイドブックを基に、視野を広げていくことはもちろんできるが、逆に言えば広過ぎて、はてさて、夢の道筋に眠りこけてしまうのではないか、とさえ思えてくる。逆に、もう少し焦点をしぼり、自らの足元から、次に歩むべき道を見つけなければならない。

9)いくつかの視点は定まった。だがこの本は2002年に出た本であり、2011年の3・11の出来事は盛り込まれていない。あの災害があればこそ、いまふたたび問い直されなければならない点も多い。

10)古代から現代、未来にむけての時代の流れの中で、たどたどしいながら、いくつかのミッシングリンクを手繰り寄せながら、つたない一人旅がつづく。

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