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2018/02/01

「日本文化をよむ」 5つのキーワード 藤田 正勝<3>

<2>からつづく 

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「日本文化をよむ」 5つのキーワード <3>
藤田 正勝 (著) 2017/08 岩波書店 新書: 224ページ
★★★★★

1)ふと思った。この本を読むことと、OSHO「私が愛した本」1992/12 OEJ)を読むことは、ある意味類似している。あるいは極めて類似している。あるいは、対峙し、互いに内包し、反発し、否定し合い、相図形を成し、あるいは、まったく異次元、ねじれの位置関係を維持することさえできる。

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2)類似点。まず互いに世界精神を信じていること。そして自らの地域性を熟知していること。OSHOは一気に世界精神の地点から人類史を俯瞰する。藤田は世界精神を誕生させるために自らの地点を日本の歴史に立脚点を見つめ、来るべき世界精神に対峙させる。

3)まったくの相違点。OSHOは自らを語り、自らの視点からずれようとしない。藤田は、自らの生身の人間性をさらけ出さず、ひたすら対象物としての、日本文化に焦点を当て続ける。

4)相図点。互いに歴史上の著作物を中心としながらも、それを生み出した人間像に迫る。そして、その精神性に共通項を見つめようとする。しかし、OSHOは最初から地球大の精神性を俯瞰するのにも関わらず、藤田はまずは日本列島に退却する。しかもわずか1300年ほどの時空間にとどめる。

5)対峙点。何のためにそれぞれの書を表したか。OSHOは、独り言として、あるいは少数の弟子たちのためのつぶやきとして、無造作に語る。藤田は、世界に向けて、何かの大きなものに組み込まれtがるかのようなインターフェイスを含ませながら思考する。

6)補完しあう点。OSHOのつぶやきはある意味杜撰。あまりにも大雑把なイメージをつぶやいているに過ぎない。日本文化さえ含んでいる内容も、インスピレーションに富んではいるが、十分とは言えない。対する藤田は、日本文化に対して、精緻かつ慧眼なポイントを摘出しまとめ上げている。ただ、藤田の世界精神については、(おそらくは)次書を待たなければならない。これは序章であり、試論に過ぎない。世界精神についてはOSHOのビジョンが役立つだろう。

7)まったくねじれている点。OSHOは結局は外側の世界についてはある意味放棄している。責任を取らない。藤田は対象物の内面を語りつつ、自らの内面は語らない。むしろ世界精神、世界文化の未来に向けての提言をしたがっている。

8)つまり、当ブログにおいて、この二冊の本を読み進めるにあたって、OSHOと藤田が手を取り合うことなどは別段に期待していない。むしろ、私自身が私自身の表現物としての当ブログの中で、際立って起立しあい、際立ちあって、融合し、互いの起爆剤となって、わが内なるものに刺激をあたえてくれるものであれば納得できる。

<4>につづく

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