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2018/02/26

「おひとりさまvs.ひとりの哲学」山折哲雄  上野千鶴子,/「さとりサマーディにて」<31>ひとり‎

<30>からつづく

「さとりサマーディにて」 

<31>ひとり           目次 

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「おひとりさまvs.ひとりの哲学」
山折哲雄 (著) 上野千鶴子 (著),‎  2018/01 朝日新聞出版 新書: 216ページ
No.4158★★☆☆☆

1)テレビの朝の宗教番組で久しぶりで思い出した山折哲雄を思い出し、その近著である「『ひとり』の哲学」(2016/10  新潮社)に目を通してしまったものだから、ついこの本にも手を出してしまった。

2)上野千鶴子という方の名前は比較的よく聞く名前ではあるが、ほとんどノーマークである。今ググってみたら、当ブログにおいては、わずかに「世代間連帯」( 2009/07 岩波書店 辻元清美と共著)にそのお名前が登場するのみである。まったく知らない方ではないが、どうも世界観の根本がどこかで違う。共存はできないわけではないだろうが、「連帯」なんて、おそらくできないだろう。言葉の上だけでも無理だ。

3)このお二人の対談、最初はとりあえず読み出してみたのだが、言葉が走りすぎていて、自分にとってのリアリティがどんどん喪失していった。「おひとりさま」を「おふたりさま」でダイアローグというものは、いかがなものか。

4)決して読みにくい本でもないし、テーマがまるっきり面白くわけでもない。されど、そのテーマに寄り添っていくとするならば、すくなくとも一読者としての私の中では、このテーマを、この対談で、ず~と深めていくというのは無理なようだ。

5)どうしてだろう、と考えた。少なくとも、この本を当ブログに単独で登場させることさえ、うっとうしくさえなった。どうしてだろう。

6)思いついたのは、ここで語られているテーマのリアリティは、むしろ当ブログでの連載シリーズ「さとりサーマディにて」の中で語られる方が、ずっとましになるだろう、ということだった。

7)このシリーズ、どうやら、だいぶお休みしていたようだ。半年以上のブランクがある。もちろん、その間に何事もなかったわけではない。むしろ進行している。進行しすぎて、ちょっとブログにさえ書けないような事態が続出していて、どこでどうまとめていいか思いあぐねてさえいる。

8)具体的には、さとりさんは、新しい施設に移り、環境が変わって、良くなった面と、年齢の進行に伴うところの、退歩の面が目に見えて如実になってきたと言える。96歳とは、一般的にはこういう状態だろう。彼女に彼女の24時間があり、365日がある。

9)されど、それはサマディなどというものとの重なりをイメージすることは難しい。サマディという部屋を意味しているならそれでいいのだが、決してまともにさとりサマディなんて言えたものではない。

10)しかししかし、もしありのままを受け入れるという意味でなら、これこそがさとりサーマディなのだ、という事態が現出しているのだ、と、とることもできる。

11)それだけの理解と、飛躍と、神秘への扉が、こちらに要求されるとするなら、この対談集は、まったく意味をなさない。単なる文字列であり、救いはない。

12)この対談に目を通していて、わが意識はどんどん無重力となり、当ブログ現在最人気の一曲のほうが、はるかにリアリティを持って、現前としてきた。

 

<32>につづく

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