「うちのお寺は曹洞宗」わが家の宗教を知るシリーズ 藤井 正雄<2>
「うちのお寺は曹洞宗」わが家の宗教を知るシリーズ <2>
藤井 正雄 1997/12 出版社: 双葉社 単行本: 237ページ
★★★★☆
1)うちのお寺は曹洞宗、と、簡単に言ってしまうことができない。身の回りを見ると、なぜか親戚のほとんどの菩提寺は曹洞宗だったりするから、なるほど、と思うのだが、わが家は違う。違う、と言っていいのだろうか。
2)母方の菩提寺は柳生寺で、秀麓齋で末寺である。曹洞宗の流れだ。しかし父方の普門寺は、もともとは総禅寺の末寺であったらしいが、第二次世界大戦後に離脱し、現在は単立寺院となっている。
3)経典や祭壇などは、宗派時代を踏襲しているようだが、僧侶としての姿が違う。決して色のついた袈裟を仰々しく羽織ることなく、背広ネクタイ姿の上に、簡略化された黄色などの礼布をかける。
4)そもそも道元は、自らの教えを曹洞宗などとは呼ばなかったそうで、そう呼ぶようになったのは末寺も増えて普及活動が活発化した4祖頃かららしい。同じく盛んになった他の宗派との区別をするためとのことだ。
5)葬式仏教と呼ばれたり、僧職にあるまじき行為が喧伝されたり、俗事にかかわりすぎる僧職が多くなったりすると、いつの時代も内部から改革運動がおこるものだが、戦争に関わりすぎた宗教界にも、戦後、そのような改革運動が起きたとされる。その一環として、普門寺も関わっていたに違いない。
6)これまでも、人生の中で、幾多の葬儀に参列してきたが、還暦もすぎるとわが友人たちをはじめとする葬儀の数も増えていく。さまざまな宗派があり、また同じ宗派であっても、それぞれの地域によって、多少ならず、さまざまな儀式の仕方がある。神道やキリスト教のしきたりなど、それぞれに神妙な心持ちとなり、故人の冥福を祈る。いずれもそれぞれに尊い。
7)以上の経緯から、道元の教えに乞うことが多いのだが、「うちのお寺は曹洞宗」とまでは断言できずとも、この一冊は、この宗派がどのような成り立ちをしているのかを、この一冊で概観することができる。
8)「わが家の宗派を知るシリーズ」として多宗派もあるようであり、縁を感ずるなら、それら他の宗派についても目を通してみる価値はありそうだ。
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