「死について41の答え」 OSHO 伊藤アジータ<11>
「死について41の答え」 <11>
OSHO(著), 伊藤アジータ(翻訳) 2015/01めるくまーる 単行本 456ページ
★★★★★
1)最近この本を読みたいなぁ、と思っていたのだが、どこに行ったか見失っていた。いいや、その辺にあるだろう、と毎回探索を中途半端にしていたが、なかなか出てこない。
2)どの部屋を探しても見当たらない。天井階も収納も、どこにもない。変だなぁ・・・。ひょっとすると、この本、私はまだ買っていないんじゃないか? 今まで読んでいたのは、あれは図書館から借りた本ではなかったか? その辺まで不確かになってきた。
3)誰か友人に貸したのかな? いやそれもないだろう。大体、いつの頃からか、本の貸し借りはやめたはずだ。面白い本であればあるほど、人に貸して戻ってこないときの落胆は大きいし、借りたら借りたで、返すのが惜しくなる。欲しい本はキチンと自分で揃えることにしたはずなのだ。
4)それにしても変だ。あんなに真っ赤っかな本を見失うはずはない。本棚ばかりか、部屋中、家中、三度も四度も探してもない、というのは辺ではないか。誰か家族が意地悪して、隠したのかな。そんなことまで考えた。
5)されど、絶対に家の中にある。それは確信である。絶対この辺にあるはずだ。あたりをつけて、ゆっくりと腰を据えた。そして、ようやくあるべき本棚のあるべきところに見つけたのだ。大発見。
6)そして、私がこの本を見失っていた理由が分かった。私は、この本に対して、真っ赤っか、というイメージを強く持ちすぎていたのだ。赤い本を探していたのだ。だが、探し終わって見れば、実は、この結構分厚い本の背表紙は真っ白なのだ。これじゃぁ、見落とすはずだ。(爆)
7)再発見して、パラパラと、特に後半部分などを眺めてみた。さっと指の入ったところに、ハミング瞑想(ナーダブラフマ)が紹介してあった(290P )。しかも、「死を迎えるための瞑想法」として。
8)身体とマインドが[ハミングに]すっかり夢中になっているので、魂はすっかり夢中になっているので、魂は気づかれることなく、とても楽に抜け出し、観照者になるこおtができる---外側に立ち、マインドと身体の間で続いているゲームの全貌を見ることができるのだ。
それはあまりに美しいリズムなので、マインドも身体も魂がこっそり抜け出したことにまったく気づかない・・・・・というのも、彼らはそうしたことを簡単には許さないからね。
彼らは、魂を所有し続ける。誰も自分が所有しているものを失いたくはない。身体は魂を支配したい。そして、マインドも、魂を支配したいのだ。
これは、彼らの縛りから抜け出すための、非常に狡猾な方法だ。彼らは[ハミングに]酔っ払い、あなたはこっそりと抜け出す。だからナーダブラフマでは、このことを覚えておきなさい。身体とマインドを完全に一つにさせておく。しかしあなたは、観照者にならなくてはならないと覚えておくのだ。
彼らから抜け出してごらん、楽に、ゆっくりと、裏口から、どんな戦いや格闘もなしに。空らは酔っぱらっている-----あなたは外に出て、外側から見守りなさい。
外側に立つ----これが、英語のエクスタシーという言葉の意味だ。外側に立って、そこから見守ってごらん。それは途方もなく安らかだ。それは静寂だ、それは至福だ、それは祝福なのだ。OSHO p292
9)そういえば、いつだったか、だいぶ前のことだが、もう20年くらい前のことだろう。友人の友人が死の床についているという。その彼女に瞑想を指導してほしいという依頼があった。必ずしもOSHOの読者でも体験者でもなかったので、はてどうしたものか、考えた。
結局私にできたのは、彼女の枕元に小さなテープレコーダを置いて、このナダブラフマの音楽を流すことだった。まだ小学校入学前の子どもを残して旅立った人生の、そのものの重みは他者には計り知れないものだ。
10)それでも、あの時、彼女とナダブラフマを分かちあった私の咄嗟の判断は、決して間違っていなかったと思う。ナダブラフマが、「死を迎えるための瞑想法」のひとつとして、ここに紹介されているのを見て、そう感じた。
11)思えば、この本をメモするのは、約一年ぶりである。この間、私は何度も葬式に列席することがあり、また、大事な友人を二人も亡くしてしまった。彼らとともに、私はまた、ナダブラフマ瞑想を味わうことになるだろう。
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