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2018/04/16

「大宇宙構造論序説」田島 獏 「時空間」8号 <8>

<7>からつづく

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「雀の森の物語」 <8>
阿部清孝 1974/10 時空間編集局 ガリ版ミニコミ 表紙シルクスクリーン p164

1)昨日は、宮城県名取市に鎮座する熊野神社春例祭の日であった。当地の観光ボランティアガイドのはしくれとして、いささかの役割をいただきながら、午後から参加した。実に稀な縁起を持つ古社ではあるが、普段はほとんど人影はない。しかし、春と秋の例祭の日となると、遠来からの来客を含み、たくさんの参拝者であふれる。

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2)というのも、普段は見ることのできない本殿や、珍しい熊野堂神楽や熊野堂舞楽が奉納され、誰でも自由に見学できるからである。

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3)私はここから車で5分という至近距離に住んでいながら、 この奉納を見学したのは数度しかない。図書館蔵のビデオでは拝見していたが、なかなか春は他の行事が入り、足を運ぶことができなかった。

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4)日本の古来からの神話を基にした神楽は、芭蕉の句で有名な山形の立石寺から伝わったものとされ、一連の神話の中からのエピソードが舞われる。

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5)地区近在の7軒の氏子によって相伝されてきたものとされ、県の重要無形文化財に指定されている。神楽とは違って、舞楽のほうはもっと自由な形を持っている。こちらはもっと秘匿性が高く、門外不出とされ、この地のこの例大祭以外には奉納されないという。

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6)常設の舞台で舞われる神楽(かぐら)と違って、舞楽(ぶがく)のほうは、この日のためだけに水上に設営される神聖な舞台で執り行われる。

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7)その装束に比して、動きはゆったりとしていて、単調なリズムを繰り返しているようでもある。ビデオカメラに収める人々もいつしか口数が少なくなり、頭の中は静かに収まっていく。風が吹き、この葉や桜の花が舞い、湖面が静かに揺れる。遠来の鳥たちの鳴き声も、どこか遠慮気味である。

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8)メインイベントのひとつである稚児の舞となると、勇壮な演目の多かった中で、ふと心が緩んで、ちょっとだけ、涙ぐんでしまった。数年前に世界的にヒットした映画「君の名は」のシーンと、どこかつながっているようにさえ、感じた。

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9)最後の太平楽となると、まさに勇壮な武将隊の演武となるが、天下泰平を願う舞であるだけに、刀で切るというような仕草はなく、穏かな六人の武者隊の舞である。

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10)この古社にとっては、おそらく近世とさえ思える鎧兜の武者隊はやや新しきつながりとも思えるが、永年による伊達藩の寄進にも支えられてきた、この熊野神社の歴史ゆえ、これもありかな、と納得した。特にごく最近は、伊達政宗おっかけにハマっている当ブログとしては、あらたなるテーマを与えられたような気がした。

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11)ところで、私はこの祭典中に、久しぶりに思わぬ人と再会した。数えてみれば、実に44年ぶりである。その方は、田島獏(当時のペンネーム)氏で、かつて私たちが発行していたガリ版雑誌に投稿してくれていたのである。私はまだ20歳、彼はまだ十代の学生であった。聞けば、現在は、東京在住で、と名のある大学のフランス文学の教授であらせられるとか。これも熊野の神々が引き寄せてくれた縁と感ずるので、ここに当時の氏の文章を再録しておく。

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追記 

いささか読みにくい印刷面であるが、当時のガリを切ったのは私であり、添付したカット画は、私の勝手な穴埋めである。あらためてご容赦願いたい。

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