「禅のすすめ」―道元のことば 角田 泰隆
「禅のすすめ」―道元のことば (NHKライブラリー)
角田 泰隆 (著) 2003/03 日本放送出版協会 単行本: 284ページ
No.4168★★★★☆
1)お勧めいただいたのは、NHKテレビ「こころを読む」の「禅のすすめ 道元のことば」(角田泰隆2001/07~09)のテキストだった。図書館でさがしたところそのものずばりの本はテキストはなかった。だが、同じタイトルで同じ著者による、ほぼ同時期の単行本が見つかった。
2)そもそも道元関連の書籍というものは、平易で奇をてらわず、やさしく書いてあるものだが、この書もまた、実にわかりやすい一冊である。
3)ただ、ある意味において、映画「道元」(2008)を見ていれば、こと足りる、という面もなくはない。いまさら学者じゃあるまいし、年代や地名、こまかい法語などを覚える必要がなければ、映画に盛り込まれている内容で十分だ。
4)逆に映画「道元」に書かれた内容をひとつひとつ深めたいとなれば、この書はおおいに役にたつ。なるほどやっぱりそうか、と後押しされる一冊である。
5)初心忘るるべからず、と言う。ZEN mind is Bigenners mind」ともいう。つねにスタート地点に立ち返り、今を生き切ることが大切だと、繰り返されてきた。そういう意味においてはまったくその通りなのだが、長年、そのようなスタート地点を確認してきた存在においては、ある意味、もっと深みに入っていくべきことも肝要である。
6)すすめ、とか、ことば、とか、その地点を超えて、前にいくとするなら、只管打坐こそ、もっとも肝要であることを肝に銘ずるべきであろう。
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