「おめぇだづがいでお等(ら)がいだ」鈴木 正行
「おめぇだづがいでお等(ら)がいだ」
鈴木 正行 (著) 2018/02 創栄出版 単行本 167ページ
No.4187★★★★★
1)仕事仲間の友人T氏の友人(おそらくお客さんかも)が、最近本を出したという。お祝いに三冊買ったから、一冊あげるよ、と頂戴した一冊。地元の出版社であり、ましてや自費出版を多く手掛けている会社であれば、よくあるタイプの自己満足本かな、とも思った。
2)読み始めて見ると、これがなかなか面白い。裏表紙の帯の推薦文「読者の声」にもあったが、「あまりにおもしろさに、早く次のページが読みたくなった」。
3)全体としては、タイトルから初めとして、地元のズーズー弁が文字表現されており、違和感がないでもない。半面、面白いと言えば、これがなかなか面白い。宮城県北の言葉らしいが、県南部ともそんなに変わらない。んだんだ、おらいのほうでも、こういう。
4)著者は1950生まれの現役寿司職人だそうだから、それほど文章の達人でもないだろう。おそらくはゴーストライターがいるか、相当に編集者の直しが入っているのかもしれない。それがどの程度なのかわからない。
5)ただ、中学校時代は応援団長を務め、高校時代には、生徒会長選の友人の応援弁士を務め(落選)、その後に弁論大会(校内3位)にも出場したというから、もともと豊かな文才をお持ちの方なのかもしれない。
6)生まれた直後から、足に障害があったという。股関節脱臼。たしか私も小さい時には、おなじ病気で矯正用のベルトをしていた、と聞いたことがある。作者の場合は、大学病院でこの矯正用ベルトをつけてもらったが、きつかったのか泣きだしたので、帰宅途中に父親が外してしまったのだ。それが原因で障害が残ってしまったらしい。
7)見当はずれかもしれないが、泉谷しげるのコンサートを若い時参加した時、彼もまた足に似たような障害を持っているようだった。泉谷しげるの性格の特異性も、体の障害ゆえだったかもしれない。
8)登場人物は、作者の名前と違っているので、純粋な小説かもしれないし、多少脚色されたストーリーなのかもしれない。どちらにせよ、そうそう多く本を出版してきた方ではないだろうから、ほとんど自叙伝のような形の一冊であろうことは間違いない。
9)生後まもなくから、小学校時代、中学校時代、そして高校時代が主な舞台であり、高卒後の就職した寿司職人修行時代の20過ぎで終わっている。最後には親しき友人たちや仲間たちが実名らしき連名で登場してくるので、やはり自叙伝的一冊と言っていいのだろう。
10)思いがけなくいただいた一冊だったが、大変面白く読んだ。感謝を込めつつメモしておく。奥さんには、中学校の図書館にも一冊いかが、と推薦しておいた。
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コメント
ははは、この本が人気記事ランキングの上に登ってきたかぁw
投稿: Bhavesh | 2018/10/16 15:10